サーミスタ

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サーミスタは、通常の抵抗器よりも温度に強く依存する抵抗値を持つタイプの抵抗器です。この言葉は、thermal(熱の)とresistor(抵抗器)の組み合わせです。サーミスタは、突入電流リミッタ、温度センサ(通常は負の温度係数またはNTC型)、自己リセット型の過電流保護器、および自己調整型加熱素子(通常は正の温度係数またはPTC型)として広く使用されています。

こちらはサーミスタの電子記号です。

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サーミスタには、基本的に2つの逆のタイプがあります:

  • NTCサーミスタでは、温度が上昇すると抵抗が減少します。これは、熱激振により価電子帯から打ち上げられる導電電子の増加が原因です。NTCは通常、温度センサとして、または回路と直列に接続された突入電流リミッタとして使用されます。

  • PTCサーミスタでは、温度が上昇すると抵抗が増加します。これは、不純物や欠陥の熱格子振動が特に増加するためです。PTCサーミスタは、回路と直列に取り付けられ、過電流条件に対する保護として、またはリセッタブルヒューズとして使用されることが一般的です。

このキットでは、NTCを使用しています。各サーミスタには標準抵抗があります。こちらは25度セルシウスで測定された10kオームです。

以下は、抵抗と温度の関係です:

RT = RN * expB(1/TK – 1/TN)

  • RT は、温度がTKのときのNTCサーミスタの抵抗です。

  • RN は、評価温度TNでのNTCサーミスタの抵抗です。こちらのRNの数値は10kです。

  • TK はケルビン温度で、単位はKです。TKの数値は、273.15 + 度数セルシウスです。

  • TN は評価ケルビン温度で、単位もKです。TNの数値は、273.15+25です。

  • B(beta) は、NTCサーミスタの材料定数で、熱感受性指数とも呼ばれ、数値は3950です。

  • exp は指数の略で、基数eは自然数であり、おおよそ2.7と等しいです。

この式TK=1/(ln(RT/RN)/B+1/TN)を変換すると、ケルビン温度から273.15を引いた値が度数セルシウスと等しくなります。

この関係は経験的な式です。温度と抵抗が有効範囲内にある場合のみ正確です。